SPFの事業紹介

2010年度 概況

問題解決に自らが取り組むという観点から大型の自主事業を実施

2010年度は、56件、11億6,137万円の事業を実施しました。このうち経常事業(事業運営、事業開発・調査、広報)を除いた事業は、45件、5億5,262万円でした。前年度に比べ、事業件数が3件増加し、事業費は2億7,000万円の増額となりました。
本年度の事業件数、事業費の増加は、一般事業の事業方針策定から3年が経過し、また、日中基金室を除く特別基金室のガイドライン策定後2年が経過したことで、財団が目指す重点分野や優先地域などについて広く認知されてきたことも一因であると考えられます。また、本年度の事業の特徴は、資源を重点的に配分し、問題解決に向けて自らが取り組むという観点から、特に大型の自主事業が実施されたことがあげられます。

  • 2010年度 事業費内訳
  • 2010年度 近年の事業費総額推移
一般事業
自主事業と助成事業を戦略的に交えた的確な支援・取り組みを実施
一般事業 近年の事業費推移

経常事業を除き19件、2億3,614万円の事業を実施しました。事業方針I「平和と安全への努力」では、「安全保障・平和構築」プログラムにおいて、自主事業である「アジアの平和構築と日本の役割」を軸に、助成事業を3件実施したほか、安全保障分野で自主・委託事業1件、助成事業1件を実施しました。「非伝統的安全保障」プログラムでは、「新型インフルエンザによるパンデミック対策と域内協力」事業が完了し、新たに災害時の支援体制構築に関わる事業1件に助成しました。

事業方針II「グローバリゼーションの功罪への挑戦」のうち、「市場と格差」プログラムにおいては、格差削減に関わる政策提言を行うことを目的とした自主・委託事業を開始しました。また、「人口移動に関わる問題」プログラムでは、自主・委託事業である「人口変動の新潮流への対処」事業および助成事業1件、合計2件が完了したほか、2件の事業に助成しました。

さらに事業方針III「特定地域の理解促進」では、「米国との交流」プログラムの自主・委託事業である「日米交流促進に向けて:日米オピニオンリーダー交流」事業、および日本の若手研究者による調査研究を主な目的とした「日本の戦略的水平線の拡大と日米対話」事業(自主)が完了しました。
助成事業については、調査研究や、フェローシップに関わる4事業を支援しました。そのうち「日米相互依存関係の発信強化」事業が完了しました。

笹川太平洋島嶼国基金
ミクロネシア諸国の自立と人材育成を支援
一般事業 近年の事業費推移

経常事業を除き3件、3,967万円の事業を実施しました。3件の事業はすべて自主事業であり、そのうち2件が新規事業になります。

ミクロネシアコーストガード設立に向けた国際委員会の開催」事業は、年度当初より連絡・調整を重ねた結果、2010年11月、パラオ共和国において第3回「ミクロネシア地域の海上保安機能向上に向けた官民共同会議」(日本財団と共催)を開催し、参加6カ国政府、および日本財団、SPFの間で支援策の最終合意を得て事業が終了しました。「ミクロネシア海洋保護区モデル構築のための総合的研究」事業では、海洋環境委員会を設置してパラオ共和国で現地調査を行いました。また、「ミクロネシア医療関係者交流」事業では、ミクロネシア短大で保健・医療を専攻する学生を沖縄県に招へいし、琉球大学で合同研修を実施しました。

笹川日中友好基金
日中間のさらなる相互理解促進と次世代に向けた発展を軸とした事業を展開
一般事業 近年の事業費推移

経常事業を除き11件、1億572万円の事業を実施しました。その内訳は、助成事業が4件、自主事業が7件、いずれも継続事業となります。11件のうち、「日中国防関係者交流/フェーズII」(自主)は、日中間の防衛交流を促進するための事業です。人物招へい分野では、「中国若手ジャーナリスト招へい」(自主)と、「次世代リーダー対話プラットフォーム構築」(自主)の2件を実施しました。中国における日本語教育を推進する事業として、「日本語教材開発支援」(助成)および「地方大学における日本語学習者の日本研修」(助成)の2件を実施しました。また、日本の各分野のノウハウを中国側関係者と共有し、中国の社会発展に寄与する事業として、「災害応急マニュアル作成支援」(自主・助成)、「健康な街づくり活動支援」(助成)の2件を実施しました。その他、「日中関係40年史(1972~2012)」(自主)、「現代日本紹介図書シリーズ翻訳出版」(自主)、「日中基金の情報発信の基盤強化」(自主)を実施しました。これらの事業のうち、「日中国防関係者交流/フェーズII」、「中国若手ジャーナリスト招へい」、「災害応急マニュアル作成支援」の3件は本年度をもって完了となりました。

笹川中東イスラム基金
日本と中東の相互理解促進の原動力となる事業を推進
一般事業 近年の事業費推移

設立2年目を迎え経常事業を除き3件、9,079万円の事業を実施しました。これら3件はすべて自主事業であり、うち新規事業は2件となります。「日本・中東の相互理解のための情報発信」事業では、当基金が設立したアラビア語のWebサイトで日本のニュースやその他の情報を積極的に発信したほか、駐日中東イスラム諸国外交団セミナー、中東情勢セミナーなどを行いました。また、中東地域の政治変動に対応したセミナー等を適宜開催しました。「中東の海洋安全保障の研究」事業は、「ペルシア湾の安全保障専門家会議」と「ソマリア問題と紅海・アラビア海の安全保障研究」の2つのテーマに関する調査研究を行いました。「中東人物交流」事業では、中堅招へいとしてトルコの専門家を招いて講演会を行いました。また、青少年の交流を推進するため、アラブ首長国連邦の理科系高校生を日本に招へいしたほか、シリア・ヨルダンより2名ずつ大学生を招へいし、日本中東学生会議を中心に交流を行いました。

笹川汎アジア基金
CLMV諸国・南アジアを対象に交流促進と人材育成を実施
一般事業 近年の事業費推移

経常事業を除き9件、8,029万円の事業を実施しました。その内訳は、助成事業が6件、自主事業が3件で、うち継続事業5件、新規事業が4件となります。継続事業は、「アジア諸国との国会議員交流」(自主)、「インド国会議員団訪日交流/フェーズⅡ」、「アジアの再生:東南アジア次世代指導者育成」(いずれも助成)、「ミャンマーの公務員研修」(自主・委託)、「ミャンマーの産業分野における若手研究者育成」(助成)であり、5年継続事業として実施された「アジアの再生:東南アジア次世代指導者育成」事業は本年度をもって完了しました。新規事業として、カンボジアの中堅公務員の能力向上のためのワークショップの開催等を実施する「カンボジアにおける公務員の能力向上」事業(自主・委託)、若手宗教指導者の能力向上を目的とした「スリランカ・ポストコンフリクト宗教者対話」事業(助成)、ラオスで貿易、雇用の短期経済指標調査を実施することを通じ研究員の能力向上を図る「ラオス経済調査能力強化」事業(助成)、「インド現代日本研究支援Ⅱ」事業(助成)の4件を実施しました。

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